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2017年度火薬学会賞

学術賞  飯田 光明 君

 飯田光明君は,熊本大学大学院工学研究科合成化学専攻修士課程を卒業後,通商産業省工業技術院科学技術研究所に入所した。入所後は,火薬類の安全性に関する研究や実験環境の安全管理業務に従事し,優れた研究成果に対して,横浜国立大学から博士(工学)の学位が授与された。
 工業技術院時代の化学技術研究所および物質工学研究所では,火薬類の爆発現象の解明や安全保安に関する研究に従事した。特に,経済産業省が主催する火薬類の大規模野外実験では,中心的な研究者として活躍し,爆発衝撃波の計測,爆発飛散物の解析等の結果から火薬類取締法の改正に大きく貢献した。また,産業技術総合研究所では,環境安全部長として若手研究者の安全管理教育と研究現場の安全管理に尽力した。火薬学会では,企画委員会委員長及び爆発安全専門部会長として火薬業界での安全保安技術の普及で活躍した。
 飯田光明君のこれらの研究成果は,上記の実績から火薬学会及び火薬業界の発展に顕著な功績があり,火薬類の保安技術向上に大きく貢献している。このため,火薬学会学術賞に値する。

略歴

1980年3月 熊本大学大学院工学研究科合成化学専攻修士課程修了
1980年4月 工業技術院化学技術研究所保安環境化学部
1993年1月 工業技術院物質工学工業技術研究所極限反応部
2001年4月 産業技術総合研究所物質プロセス研究部門
2002年4月 産業技術総合研究所環境安全管理部長
2006年7月 産業技術総合研究所爆発安全研究センター副センター長
2007年3月 横浜国立大学大学院環境情報学府博士(工学)
2007年4月 産業技術総合研究所爆発安全研究コア代表
2009年4月 産業技術総合研究所環境安全管理部長
2014年4月 産業技術総合研究所環境安全本部審議役
2018年4月 産業技術総合研究所安全科学研究部門客員研究員

学術賞は,火薬関係科学又は技術に関し,顕著な業績を有し,且つ,若手研究者の教育・指導に著しく貢献した社員に授与しています。

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