火薬学会HOME

2013年度火薬学会賞

技術賞  佐分利 禎 君

「火薬庫のフィジカルハザード評価に関する研究」

 佐分利禎君は,新型火薬庫である地下式火薬庫から発生する爆発飛散物および地盤振動について研究を行った。また,同時に高エネルギー物質のフィジカルハザード評価のための数値解析コードを開発した。これらの結果は,研究論文としてScience and Technology of Energetic Materials 誌へ投稿している。地下式火薬庫の安全性に関する研究では,地下式火薬庫が爆発した場合に発生する爆発飛散物の飛翔性および地盤振動の伝播挙動に注目して研究を行っている。研究では,野外実験でのスケールモデル爆発実験から発生する飛散物および地盤振動を計測して,飛散物の飛翔特性および地盤振動の伝播特性を解明して,安全性を検証している。また,高エネルギー物質フィジカルハザード評価のための数値解析コードの研究では,開発したコードを用いてギャップ試験の数値解析を実施し,実験結果と比較することで,数値解析コードを検証している。
 火薬庫が爆発した場合に発生する飛散物や地盤振動等が周辺環境への影響を評価することは,爆風圧と同様に,火薬庫を設置するための技術基準となり,重要な課題である。
 佐分利禎君の研究は,火薬庫が爆発した場合に発生する爆発飛散物および地盤振動を評価するものであり,新型の地下式火薬庫の安全性を評価するには不可欠な研究であり,これらの研究成果は,火薬業界の発展に寄与するものであり,火薬学会賞技術賞に値する。

推薦論文

略歴

1996年3月 東京理科大学理工学部物理学科 卒業
1998年3月 東京工業大学大学院理工学研究科原子核工学専攻修士課程 修了
2002年6月 東京工業大学学術国際情報センター技術補佐員
2002年9月 東京工業大学大学院理工学研究科原子核工学専攻博士後期課程 修了
2003年1月 東京工業大学大学院総合理工学研究科特別研究員
2003年4月 東京工業大学特別研究員
2004年11月 独立行政法人産業技術総合研究所爆発安全研究センター契約職員
2007年4月 同上 環境管理技術研究部門契約職員
2008年4月 同上 安全科学研究部門契約職員
2009年1月 同上 安全科学研究部門研究員
現在に至る

技術賞は,火薬関係技術の進歩に貢献し,成果を会誌又は論文誌に発表した社員に授与しています。

© Copyright 1999-2011 Japan Explosives Society. All right reserved.