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2012年度火薬学会賞

技術賞  保前友高 君

「火薬類の爆発影響評価に関する研究」

 火薬類が爆発した場合に発生する爆風等が周辺環境へ与える影響を的確に評価することは、火薬類に関する保安技術の確保から重要な課題である。
 保前友高君は、火薬類が爆発した場合に発生する爆風圧と飛散物について、周辺へ与える影響について実験的な研究を行い、研究論文としてまとめてScience and Technology of Energetic Materials誌に報告している。爆風圧に関する研究では、室内でも小規模モデル実験から発生した爆風圧の伝播特性と爆源周辺のピーク圧力およびインパルスの分布から明らかにすることで、防爆壁が爆風圧を低減する効果があることを示した。また、火薬類の爆発で発生する飛散物については、ステンレス製金属円盤を用いた実験から爆発で加速される飛散物の飛翔性に関する研究を実施し、飛散物の飛翔性に関する基礎的データを示した。

 保前友高君の研究は、火薬類が爆発した場合の周辺環境への影響を評価するものであり、新たに設置する火薬庫等の安全性評価に不可欠な研究であり、火薬業界の発展に寄与するものであり、火薬学会賞技術賞に値する。

推薦論文

略歴

1995年3月 大阪大学基礎工学部物性物理工学科 卒業
1997年3月 大阪大学大学院基礎工学研究科物理系専攻 修士課程修了
2001年3月 東京工業大学大学院総合理工学研究科 
 物質科学創造専攻 博士課程修了 博士(工学)
2001年4月 栄光学園高等学校 非常勤講師
2002年4月 防衛庁技術研究本部第1研究所 研究員
2005年4月 産業技術総合研究所 特別研究員
2007年10月 同 研究員
2009年5月 富山商船高等専門学校商船学科 准教授
2009年10月 富山高等専門学校商船学科 准教授(統合に伴う校名変更)
2012年4月 同 国際教育センター 准教授
現在に至る

技術賞は,火薬関係技術の進歩に貢献し,成果を会誌又は論文誌に発表した社員に授与しています。

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