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2014年度火薬学会賞

技術賞  佐野 洋一 君

「新規テルミット組成物の物質安全性に係る評価に関する研究」

 佐野洋一君は,新規テルミット組成物に対して,基礎物性評価ならびに熱反応性および機械的感度特性等の物質安全性に係る評価研究を行い,その成果をまとめ,研究論文「酸化ビスマスと金属との熱反応性と感度」および「Fe2O3/Al/ ポリオキシメチレン混合系におけるテルミット組成のキャラクタリゼーション」として Science and Technology of Energetic Materials 誌に投稿した。
 前者の研究は,鉛系の酸化剤の代替物質として,酸化鉛に構造が類似した酸化ビスマスに着目した研究である。酸化ビスマスと5種類の金属との混合物を研究対象として,組成毎に結晶構造解析から物質安全性評価に至るまで広範かつ詳細な評価研究を行っている。また,後者の研究では,酸化鉄(III)/ アルミニウムのテルミット組成物にポリオキシメチレンを添加して,煙火用発射薬としての適用性を検討している。発火エネルギーや熱特性等の安全に関わる検討に加え,圧力容器試験による性能評価試験が行われており,従来の黒色火薬等よりも高い性能を有する可能性を示唆している。
 佐野洋一君は,過去に,酸化チタン光触媒や光フェントン反応を利用したニトロ化合物含有廃液の湿式処理に関する研究等,エネルギー物質と環境をキーワードにした研究を実施し,多くの研究発表および論文発表を行っているが,上記の研究もエネルギー物質の環境性あるいは安全性に深く関与した独創性溢れる内容となっている。
 以上の理由から,当該研究は技術賞に値するものと判断する。

推薦論文

略歴

1997年4月 九州産業大学大学院工学研究科博士後期課程入学
2001年3月 九州産業大学大学院工学研究科博士後期課程修了
2011年9月 九州産業大学総合機器センター助教
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