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2010年度火薬学会賞

技術賞  甲賀誠 君
「ポリテトラヒドロフランを可塑剤として用いた推進薬に関する研究」

 ロケットの用途が多様化するのにともなって,さまざまな性能を持つ推進薬が必要とされている。 そこで,酸化剤,バインダー,燃焼触媒, 高エネルギー可塑剤などが推進薬の機械的特性や燃焼特性に及ぼす影響についての研究が行われている。
 高エネルギー可塑剤は推進薬の高性能化に有効であるが,高価である。そこで, 甲賀 誠君はポリテトラヒドロフラン(PTHF)に注目した。PTHFはゴム製品の原料として, さまざまな分子量の試料が大量生産されており,安価に入手できる。 推進薬バインダとして最も広く使用されている末端水酸基ポリブタジエン(HTPB)の構造と比較して, PTHFの構造には不飽和結合がなく,繰り返し単位中に酸素を含んでいるだけでなく, PTHFの構造がHTPBのそれと似ている。そのため,HTPBとPTHFは均一に混合しやすいだけでなく, 化学的に安定であり,燃焼特性も向上できると考えた。本研究では,PTHFを可塑剤として添加することによって, HTPB系推進薬の機械的特性や燃焼特性を改善できることを見出した。これらに研究成果は, 推進薬の高性能化だけでなく,コスト削減にも貢献できるものであり,技術賞に値する。

推薦論文

略歴

1987年3月 防衛大学枚本科応用化学科卒業
1993年3月防衛大学校理工学研究科材料工学専門噴進材料系列卒業
1994年3月防衛大学校助手
1999年9月博士(工学)(慶応義塾大学)
1999年10月防衛大学校講師
2001年7月米国The University of Alabama in Huntsville,
Propulsion Research Center客員研究員(〜2002年9月)
2003年4月防衛大学校准教授
現在に至る
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