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2006年度火薬学会賞

学術賞  藤原修三 君

 藤原修三君は、永年にわたり、火薬類などの高エネルギー物質の爆発現象の物理・化学ならびに安全に係わる総合的な研究や超高密度エネルギー状態の発生と利用に関する総合的研究などを行って優れた研究成果を挙げ、多数の論文、解説等を発表している。特に超高密度エネルギー状態の発生と利用に関する研究は、高エネルギー物質の爆発を高度に制御し、その有効利用を図る我が国における先駆的な研究であり、パルスパワーエネルギー、材料など多くの分野に高エネルギー物質利用の可能性を拡げたものである。また、これらの研究により得た豊富な経験、知識をもとに、人事院安全専門委員会、宇宙開発委員会安全専門部会、全国火薬類保安協会火薬類事故調査委員会製造部会、経済協力開発機構・危険物の爆発危険性に関する国際専門家会議などをはじめとして数多くの委員、委員長を務めるなど、優れた学識のもと我が国のみならず国際的な安全技術・対策に関し、多大の貢献をしてきている。

 さらに、火薬類等の高エネルギー物質分野で、同君が所属する研究所等において、同所の職員のみでなく、共同研究等を通じて、多くの研究者、技術者、学生の教育・指導に力を注ぎ、同君に育成された優秀な研究者・技術者は産学官の各分野で優れた研究・開発等を行って活躍している。

 また、火薬学会理事として、運営委員会委員、国際対応化委員会委員長を務め、火薬学会の発展に大いなる貢献をしている。

 以上から、藤原修三君の業績、活動および火薬学会への貢献は顕著なものであり、学術賞に値する。

略歴

1966年3月東京大学工学部燃料工学科卒業
1971年3月東京大学工学系大学院応用化学燃料工学専攻
博士課程中退
1971年4月工業技術院東京工業試験所第7部入所
1971年6月工学博士号(東京大学)取得
1980年4月化学技術研究所(旧東京工業試験所)
安全化学部高密度エネルギー課課長
1994年4月工業技術院筑波研究支援総合事務所
研究企画調整官併任(1995年7月まで)
1995年4月物質工学工業技術研究所極限反応部長
2001年4月産業技術総合研究所環境安全管理部長
2002年4月同所爆発安全研究センター長
2007年3月同所退職
2007年4月同所研究顧問

学術賞は,火薬関係科学又は技術に関し,顕著な業績を有し,且つ,若手研究者の教育・指導に著しく貢献した社員に授与しています。

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