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2004年度火薬学会賞-奨励賞

中村 雄一 君

「二爆薬の爆ごうから発生する超高圧に関する研究」

 近年、爆薬が発生する高圧力を新素材の合成、金属加工等に利用する試みが広範囲に行われている。爆薬が発生する爆ごう圧力は、爆薬の種類に固有な値、すなわちCJ爆ごう圧力であるため、加工に必要な圧力の発生が困難な場合が生ずる。このような場合には、爆薬の爆ごうにより発生する衝撃波の収束を利用して圧力を増加させる手法や、爆薬に金属飛翔板を衝突させることにより発生する過剰爆ごうを利用して、CJ爆ごう圧力以上の圧力を発生させる手法がある。しかしながら、いずれの手法も現実的な金属加工等には適用しにくいと考えられる。

 本研究では、簡易に過剰爆ごうを発生させる方法として、高爆速・低爆速の二種類の爆薬を円筒状に組み合わせる方法に着目した。二種類の爆薬から構成される二重円筒爆薬中を伝播する爆ごう波の2次元流体計算コードによるシミュレーションにより、二重円筒爆薬の内側の低爆速爆薬中に安定した過剰爆ごうが発生することが示され、本手法が超高圧の発生に極めて有効であることが示された。

 以上の研究成果は、二重円筒爆薬中の過剰爆ごうの伝播挙動に関する知見を深めたのみならず、爆薬の工学的な利用における基盤技術の確立に大きく寄与するものであり、奨励賞に値するものである。

推薦論文
「二爆薬の爆ごうから発生する超高圧の数値解析」,火薬学会誌 ,Vol.63,No.1 , 7 (2002)

略歴
1998年3月熊本大学工学部機械工学科卒業
2000年3月熊本大学大学院自然科学研究科機械システム科学専攻博士前期課程修了
2003年3月熊本大学大学院自然科学研究科生産システム科学専攻博士後期課程修了
2003年4月日本油脂(株)入社、武豊工場研究開発部にて火薬に関する研究に従事、現在に至る

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